Eleocharis dulcis ( Burm.f.) Trin.

イヌクログワイ

2014 年 9 月

シログワイともいわれ、類似種のクログワイ(Eleocharis kuroguwai Ohwi)よりやや大型になるようです。ため池や水路、田んぼなどの日当たりのよい浅瀬に生育する水草で、多年草の抽水植物です。地下茎の先端に塊茎をつくり越冬します。稈は高さ40100㎝、幅46㎜、円筒形で中空であり、内部は多数の隔膜で仕切られています。稈の先端に穂をつけ、その下部はやや角ばるものもあります。花は710月ごろ咲きます。穂は円柱形で先はやや尖り、長さ24㎝で鱗片は帯白色で密につき、楕円形で先が尖らず円みがあることが特徴ですが、稈に穂がつくのは少ないようです。一方、クログワイの鱗片は少なく、狭長楕円形で先はやや尖ります。イヌクログワイの分布は本州、四国、九州、沖縄、台湾、中国南部、インド、インドネシアです。兵庫県での記録は赤穂市、家島町、南淡町(福岡ほか:兵庫県産維管束植物11)で、かつて確認した赤穂市や福崎町はすでに見られません。ただし、五色町でイヌクログワイと思しき個体群を確認していますが、確実に同定ができたわけではないため、現在見られるところはないようです。ただし、赤穂市に生育していた個体については水族館や植物園で系統保存を行っています。兵庫県版レッドデータブック2010のBランク、近畿版レッドデータブック2001Aランクに位置します。

変種に中華料理の食材(烏芋)になるシナクログワイ(Eleocharis dulcis ( Burm.f.) Trin.var.tuberosa (Roem.et Schult) T.Koyama)があります。オオクログワイともよばれ、塊茎が母種のイヌクログワイより相当大きい23.5㎝で、これを食用にします。インドと中国南部原産ですが、台湾や中国の田んぼなどで広く栽培されています。