Allium monanthum Maxim.

ヒメニラ
 

2015 年 3 月

広葉樹林の林縁に生育する華奢な多年草です。地下に径10㎜程の球形の鱗茎があります。葉は根出状に12個出て、線形で断面は三日月形、長さ1020㎝、幅38㎜で、やや淡い緑色です。形状はニラの葉を小型にしたようで、さらには独特のニラ臭もあり、同定の有効な特徴となります。兵庫県内の生育地では小さく群生し、密集した葉は周囲よりやや淡いので比較的区別しやすくなります。花は35月に高さ510㎝の細い花茎の先に、小さな花を上向けに付けます。雌雄異株で雌花は1茎に1個~2個、雄花は24個、花被片は6個、長楕円形で長さ45㎜、白色または微紅色で平開せずチューリップ状に咲かせます。分布は北海道、本州(近畿以東)、四国、朝鮮、中国(東北)、ウスリーで、兵庫県では丹波と西播磨に記録があり、非常に限られたところに生育する希少な種類です。兵庫県版レッドデータブック2010Aランク、近畿版レッドデータブック2001Aランクに位置する県下ではきわめて個体数の少ない種類です。西播磨の生育地は同所的にミノコバイモ(Fritillaria japonica Miq.)が生育しており、両種とも春植物(スプリングエフェメラル)で、落葉広葉樹下で陽光がよく射す環境で、3月下旬ごろが開花期となっています。里地里山の植物で、草刈などの適度な維持管理が行われなければ消滅するような脆弱な環境に生育しています。