Pogonia japonica Reichb. f.

トキソウ
 

2015 年 6 月

日当たりのよい湿地に生える多年草で、当地域では丘陵地谷部にあるため池の集水域側や山間部の湿地に生育しています。根茎はやや硬く、細く横に這い、所々に地上茎を出します。地上茎は高さ10~30㎝、基部に鱗片葉があり、茎の中央部に1個の葉を付けます。葉は披針形または狭長楕円形で長さ4~10㎝、幅7~12㎜、基部は細くなって翼状に茎に沿って流れ、鞘はつくりません。5~7月に紅紫色の美しい花を茎頂に1個横向きにつけます。苞は葉状で長さ2~4㎝、がく片は長楕円状披針形で長さ1.5~2.5㎝、側がく片は背がく片より幅はやや狭く、距はありません。兵庫県版レッドデータブック2010の Cランク、近畿版レッドデータブック2001のCランク、日本の絶滅のおそれのある野生生物第4次レッドリストはNTランクに位置する近年激減している種類です。同所的にはサギソウやミズトンボなどに混じって生育しています。分布は北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国で、四国と九州は個体種が少ないようです。和名は朱鷺の翼の色に似ていることに由来しています。まれに白花(Pogonia japonica Rchb.f. f. pallescens Tatewaki) も見られます。

類似種にヤマトキソウ(Pogonia minor (Makino) Makino)があり、丘陵地などの日当たりのよい草地に生育します。草姿はトキソウに比べ小型で、花色も淡紅色で、上を向いて咲かせます。ほとんど開かず、唇弁が花外に出ないので目立ちません。兵庫県版レッドデータブック2010の Cランク、近畿版レッドデータブック2001のCランクの絶滅危惧種です。