Hypericum tosaense Makino

トサオトギリ
 

2015 年 7 月

蛇紋岩あるいは凝灰岩が露出する丘陵地の日当たりがよい草地に生える多年草です。地下茎は木質化し、高さ15~75㎝の直立した茎を数本出し、茎の上部で分枝します。細くて硬い茎は2条の隆起線が縦に対状に走り黒点をつけます。葉は対生で長楕円形または長楕円状披針形で長さ1~2㎝、幅0.5~1㎝で縁はややざらつき黒点があります。また全体に明点が密に散らばっています。花は7~8月に分枝した先に少数つけます。花弁は黄色で巴状にゆがんだ倒卵形で長さ1㎝で多数の脈が走り、明点と明線が入り、先端の縁は櫛状となり黒点があります。葯は大きく、花柱は長さ3.5㎜で子房より少し長く、蒴果は丸みを帯びた円錐形で長さ7㎜ほどです。名前の由来は高知市郊外の蛇紋岩丘陵地の日のよく当たるところに生育していたところからですが、残念ながら絶滅した可能性があるようです。当地域は凝灰岩地帯に生育する特殊な植物です。

兵庫県版レッドデータブック2010の Aランク、日本の絶滅のおそれのある野生生物第4次レッドリストはCRランクに位置する非常に希少な植物です。分布は本州、四国で兵庫県は分布の東限で、国内で生育が確認できるのは兵庫県だけといわれています。類似種にオトギリソウ(Hypericum erectum Thunb.)があり、丘陵地などの日当たりのよい草地によく生育しています。生育地によって個体変異があり、同種とは思えないような個体群も出現します。