Nuphar saikokuensis Shiga et Kadono

サイコクヒメコウホネ
 

2015 年 7 月

ため池や河川、水路に生育する多年生水草で、葉を水面に浮かべる浮葉植物です。水深が浅くなると葉を水面から立ち上げ抽水状態にもなります。よく発達した根茎は径2~4㎝で、横に長くはい、根出葉を束生し、浮葉(あるいは抽水葉)と沈水葉に分化します。浮葉(あるいは抽水葉)は長さ10~30㎝、幅7~20㎝の卵形~広卵形で、全縁でやや厚く光沢があり、基部は矢じり形にへこみます。葉柄の断面は円形で中心部分は中空になりません。沈水葉は薄い膜質で長さ6~30㎝、幅6~20㎝の広卵形で、浮葉と似た形を示します。花は6~10月に径3~4㎝の黄花を水上に出た茎に1花つけます。柱頭はややいびつに合着し、先端は鈍頭で柱頭盤から突き出すことはまれです。兵庫県版レッドデータブック2010の Cランク、近畿版レッドデータブック2001のCランク、日本の絶滅のおそれのある野生生物第4次レッドリストはVUランクに位置する希少な植物です。分布は本州(中部地方以南)、四国、九州で日本固有種です。兵庫県では播磨地域に比較的多くの生育地があり、産地により個体の大小があるようです。かつてはヒメコウホネ(N. subintegerrima  (Casp.) Makino)とされていましたが、最近の研究で狭義のヒメコウホネは東海地方に見られる小形種で、本種はコウホネ(N. japonica DC.)とヒメコウホネ(狭義)、オグラコウホネ(N. oguraensis Miki)が複雑に交雑した雑種起源で稔性のある種類であることが分かりました。