Euryale ferox Salisb.

オニバス
 

2015 年 8月

栄養分のあるため池やクリークなどに生育する大形の一年生水草で、葉を水面に浮かべる浮葉植物です。葉の表裏、葉柄、花茎など、植物体全体に鋭い刺があります。茎は塊状で多数の根を出します。葉は根生し、種子から最初にでた葉は沈水葉で針状、次に矢じり形となり鉾形に変化します。4~5枚目で浮葉となります。10数枚目から楯状の円形葉となり直径1.5mにも成長します。ときには2mを超える巨大な葉もまれに見られます。光沢のある表面はしわがあり、裏面は赤紫色で葉脈が棧状に隆起します。花は閉鎖花と開放花があり、自家受粉する閉鎖花は7~9月ごろ、紫色の美しい花の開放花は8~9月に見られます。開放花は種子生産が悪く、繁殖はおもに閉鎖花で生産された種子で行います。種子は直径1㎝ほどで、淡紅色の斑点をもつゼリー状の仮種皮に包まれています。種子は埋土種子として何十年も泥中に休眠ことが分かっています。兵庫県版レッドデータブック2010の Bランク、近畿版レッドデータブック2001のCランク、日本の絶滅のおそれのある野生生物第4次レッドリストはVUランクに位置する希少な植物です。分布は本州、四国、九州、アジア東部、インドです。兵庫県では播磨地域を中心に平野部の皿池に生育地がありますが、毎年出現する池は少なく、多くのため池では出現にむらがあります。そのため出現しない年が続くと絶滅したと思われる池でも突如、出現したりする不可思議な植物です。